教育コラム

「仙台経済界」掲載コラム

第28回 誰に共感するのか?

私は起業以来11年間、生徒さん達だけではなく親御さん達のお話を伺う機会も多く、たくさんの「親の気持ち」に触れてきました。特に、自分の子どもができてからは、「自分だったら冷静ではいられないな」「お母様の言うことは最もだ」などますます親御さんの気持ちに共感する場面も増えてきました。そして、「お気持ちよくわかります」「お母様もつらいですよね」そのような言葉を多くかけていました。
そのような中、自分が親の立場として自分の子どもの相談をするという機会がありました。相談をした方は初対面にも関わらず、話しやすい雰囲気を作ってくださりそして熱心に話を聞いてくれます。そして、親の私に共感してくれます。しかし、私にはなぜかしっくりいかない気持ちが感じられました。言葉にすると「私のことはいいので子どもの気持ちをわかってほしい」というようなことかもしれません。
そんな経験をしてからは、親御さんのお話を伺ってもその言葉の奥にある生徒さんの気持ち、生徒さんのつらさがより想像できるようになった気がします。生徒さんの気持ちがわかるほど、親としてのあせりや心配もよくわかります。「親御さんがもっとこうすればいいのではないか?」というように親の責任にしてしまうのは簡単です。それで問題が解決するのなら親は喜んで自分を変える努力をするでしょう。しかし、テレビの記者会見のように、「うまくいかなかったので責任をとって親を辞任します」というわけにはいきません。生徒さんの幸せを願う者の一人として、関わっている私ができることもまだまだありそうな気がします。

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