教育コラム

「仙台経済界」掲載コラム

第7回 こんな薬は逆効果

よく「うちの子には危機感がない」「焦りがない」という言葉を耳にします。そんな言葉の後に「甘やかし過ぎた。もっと厳しくしないと」と続ける親御さんがいます。最近の生徒さんは、何でもいい、どうでもいいといった感じで、勉強などできなくても怖くない。親はそんな姿を見て、「厳しく現実を伝えないと」と思います。でも、「厳しくする」…このやり方を間違っていることはありませんか。
ある生徒さんのエピソードです。ある時、家庭教師に質問をしました。
「『二の舞』ってどういう意味?」
教師が意味を言うと
「ふーん。」
何かを感じて教師が、
「何かあったか?」
と言葉を続けると、
「親が弟に言ってたから…」
お父さんが一人遅い食事をしながら、テレビを見ている弟さんに話しかけたそうです。
「勉強してるか。お兄ちゃんの『二の舞』にはならないようにな。」
家庭教師はショックを受けました。ちょうど先日お父さんから「厳しくしようと思って」と聞かされていたので、お父さんには考えがあったのかもしれません。この言葉を言うお父さんの気持ちもわかります。でもこの言葉は「厳しい」に当たる言葉ではない。
生徒さんにはショックといった表情はありませんでしたが、聞いてきた事実から心に残っていることがわかります。
「自分で辞書引くんだぞー。」
と家庭教師が言うと、
「めんどくさくてェ」
心にはつらい記憶としては残ったかもしれませんが、勉強へのやる気を高めるものにはならなかったようです。こんな薬は逆効果となることが多いと思います。

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